未完成婚の定義

未完成婚とは結婚していながら未だセックスを遂行していない状態の婚姻関係を指します。

未完成婚の歴史

未完成婚(incomplete marrage)というのは、とてもマイナーな言葉だと思っていたのですが、最近は検索するとかなり出てきます。有名なところでは、神聖ローマ皇帝フランツ1世の娘マリア・アントニーア(マリー・アントワネット)が、当時の王家としては一般的な14歳で、フランスの太陽王ルイ14世の孫であるルイ16世に嫁ぎましたが、マリーが23歳ごろまで未完成婚だったとされています。

そもそも、未完成婚という概念には、カトリックの教えでは離婚が許容されないことも背景にあるようです。

未完成婚のカウンセリングが特別な点

セックスレスといっても、(人生に、もしくは今の相手と)一度はできた経験があるのであれば、比較的理由は絞れてきます。しかし未完成婚の場合は、(少なくとも今のパートナーと)結婚してから(通常は結婚前も)セックスが一度もない状態のことを指しますので、できた状態とできない状態の比較や、できた状態からできなくなった状態への変化を探すことができないので、手がかりが少なく、幅広く事情を検討せざるを得ません。

セックスレスの一般的な考え方

そもそも、大多数の人は性欲があり、一般的にはセックスしたい人と結婚するはずなのに、なぜこういうことが起こるのでしょうか。

原因と考えられることは多岐にわたりますが、大きく分けると、EDや性交痛というような身体機能の問題と、心理的な問題があります。

心理的な問題というのは、性恐怖症や嫌悪症というような個人的な背景による場合と、夫婦間のダイナミックスからもたらされるものがあります。もちろん択一式ではないので、複合的に絡み合っていることが多いのですが。

ちなみに、ルイ16世は方法を知らなかった、、、とされています。

セックスレス(未完成婚)への対応

身体機能の問題は、まずその身体機能の問題を解決するのが基本ですし、第一選択です。それが除外されて、ないしはそこにも適切な対処をした上で、さらにまだうまくいかないときに、心理的な問題と考えます。

未完成婚は、上述のように、情報が乏しいという困難さはあるものの、実質的にはセックスレスの一形態なので、基本的にはセックスレス一般と同じように考えていきます(セックスレスに関する考え方はこちらをご覧ください)。

傾向としては、心理的な問題に限って言えば、未完成婚以外のセックスレスのほぼ大半が、夫婦のダイナミックスからもたらされているのに対し、未完成婚は個人的な背景による場合などもそれなりにあるところが特徴です。

ご相談は常にケースバイケースです。このページでは最大公約数的な見解を書いております。個別の事例ではこれとは異なった見立てをする場合もあります。