夫婦(カップル)カウンセリングですること

ケースバイケースではありますが、多くの場合、夫婦(カップル)カウンセリングでは、

  • 現状の問題に関わることをきちんと話せるように支援をします
  • そのことを通じてお二人のコミュニケーションのスタイルに潜む問題に焦点を当てます
  • その前提として、お二人のコミュニケーションが、それぞれの方の努力にもかかわらず、どのようにうまく機能していないかを分析します

基本的にはお二人の問題はお二人で解決できるはずです。自分たちで解決できない ときは、きちんとしたコミュニケーションができていない場合が多いからです。十分話し合っているとおっしゃるお二人でも、よくよくお話をうかがったり再現していただくと、『批判合戦』や『気持ちの押し付け合い』をしていただけだったということがよくあります。

これは、うまくいかないコミュニケーションのスタイルをとっている限り、内容にかかわらず問題が解決するはずがありませんから、まず問題を解決できるようにコミュニケーションがどのように機能不全に陥っているのかを理解し、スタイルを変更する必要があります。

夫婦(カップル)カウンセリングでは『言っても仕方ない』と思って心の底に押し込めている感情的なしこりにも対処します。そうした『感情の不良資産』を処理することなく建設的な解決は望めないからです。

夫婦(カップル)のコミュニケーションについて

どのような問題であれ、お互いが相手の気持ちを「きちんと」わかった上で解決しない限り、どちらかが我慢させられた(我慢してやった)という感情が残り、それが次の問題を誘発 します。

  • 「いつも相手は・・・」

  • 「いくら努力してもわかってくれない」

  • 「相手は努力しない」

  • いつも昔の話がぶり返される

というのはこういう状況です。

逆に、お二人がそれぞれの気持ちをやりとりできる状態になれば(気持ちがわかってもらえた、と感じるのなら)、多くの事例では問題が自然と解決できてしまうようです。

となると、

  • 気持ちを「わかる」というのがどういうことか
  • 気持ちをわかるためにはどうしたらよいのか

が問題になります。当然コミュニケーションで解決するしかありませんが、現状で問題が解決していないのなら、これらがわかっていないのに、そのことに気づかず頑張ってしまうことが問題を深刻化させている可能性があります。

ビジネスの世界でもコミュニケーションが強調されますが、夫婦のコミュニケーションは本質的に異なる点があります。その違いを理解しないで、仕事でうまくいっているコミュニケーションスタイルを夫婦の問題解決に応用した結果、問題がさらに悪化したというケースは少なくありません。

夫婦(カップル)カウンセリングでしないこと

問題を持ち込まれても、カウンセラーが裁判官役や説教役となってどちらか(またはお二人)を断罪したり、現実的な要求の調整(たとえば、別れたい・別れたくないという要求(欲求)の対立に、間を とって別居を提案するなど)をすることはありません。

そのようなやり方によって、問題が解決するとは 考えられないからです。それぞれの方に、それぞれなりに言い分があります。それをお互いに批判し合っているのが、夫婦の問題が解決できない基本的な構図です。

同じ構図で頑張ったら、同じ結果が出ると考えるのが妥当です。

カウンセラーという第三者が入って、相手に対するプレッシャーを強めれば相手は折れると考えるのも無理はありませんが、現実により起こりやすいことは、相手方がより強く反発することです。

また、プレッシャーをかけて相手を説得しても、交際当初や結婚当初のような良好な関係に戻れるはずがないからです。

そのようなことをご希望の方は、家庭裁判所の調停、または離婚相談などをご利用ください。