夫婦関係がうまくいかなくなる経過

夫婦の関係に亀裂が入ってしまうことは少なくないことです。

きっかけは、不倫や秘密の借金が発覚するというような、「外因的」なケースと、家庭・仕事・配偶者・親戚などに対する考え方の違い、家事の分担、育児の分担、話を聞いてくれない、話にならない、お金の使い方、言葉遣い、病気、etc・・・といった不満やストレスが爆発する「内因的」なケースがあります。

しかし、どちらのケースでも、結局こじれるところまでこじれてしまっていて、すでに夫婦だけでは話し合いがほとんど不可能になっているか、いつも同じ話にしかならないケースがほとんどです。

場合によっては親戚や、信頼できる友人などに間に入ってもらって話し合われているケースもありますが、大抵そのような介入は不調に終わります。こじれる前でしたら世間的な考え方に基づいた介入も効果がある場合がありますが、こじれてしまっている場合は、何が起こっているかきちんと理解し適切な介入がなければ、さらに問題を厄介にするだけです。

たとえていうなら、「ちょっとだるい」というのであれば「暖かくして早く寝なさい」という世間的な対処も効きますが、それでうまくいかなかったときや高熱を発しているときには素人的な対処が危険だというのと同じです。

このような状況に陥った場合、多くの夫婦は相手を批判します。善悪をつけようとして徹底的に「議論」すると、どちらにも自分の言い分があるのでさらに深みにはまっていきます。

そして双方が力尽きたとき、もう相手に何も期待しないでいわゆる家庭内離婚に至るか(特に子どもさんがいる場合など)、現実に離婚するかになっていきます。

双方が「相手が変わらなければ結婚生活は成り立たない」という瀬戸際に追い詰められており、相手を批判し合っているのが普通ですが、どちらか一方が悪いという「合意」が成り立っているケースもあります。その場合も基本は同じで、我慢し続ける限り二人の間で問題が顕在化しないだけです。

夫婦の関係はなぜうまくいかなくなるのか

このパターンでこじれてしまうケースの多くは、希望的観測で現実が見えなくなってしまっています。

たとえば・・・

  • 「どちらかが悪い」ないしは「双方それぞれ悪いところがあった」という結論に至ることができれば、悪いとされた方が心を改め、状況が改善するという「信念」

この考えは、童話やおとぎ話の中でしか通用しない、「こうあってほしい」という希望的な考え方です。現実の人間の心の動きがこうならないのは冷静に自分自身を振り返れば理解できるはずです。

この考え方は「原因(悪いこと)→(悪い)結果」という論理であり、一見科学的なのですが、本当は非科学的な迷信なのです。科学であれば「価値中立」であるはずです。しかし善悪は価値観です。

つまり、いろいろな社会的な価値観や権威を借りながら、自分の価値観を押し付けることで問題を解決しようとしていることになります。しかし世の中にはいろいろな価値観がありますから、引用する事例には事欠かないので結局決着がつかないわけです。

別のパターンでは・・・

  • 「双方それぞれ悪いところがあった」のだからお互い水に流すべきだという考え
  • 十分謝ったのだから許すのが「大人の対応」だという考え

これももっともらしい考え方ですが、感情が強く絡む問題には効果がありません。仕事上の問題などはこのやり方でうまくいくことが多いので、それを家庭にも持ち込むケースが多いようですが、ちょっとしたことならいざ知らず、厄介な問題やもともと構造的に問題がある場合にはうまくいきません。

BetterCoupleの対応例

BetterCoupleのカウンセリングでは、このような例に対して、まずは現実に何が起こっているのかを双方にわかっていただくように介入します。本当に起こっていることがどういうことであるのかがわかれば、こんがらがった糸が解けるように問題を解決することが できます。

前者の例では、各自の行動が「善」か「悪」かではなくて、お二人の関係が「そうせざるを得ない連鎖」の結果二人にとって不幸な結果をもたらすような「構造」になっていることが理解できれば、それを改善することが可能になるわけです。

後者の例では、論理の上では解決するはずであっても、現実には未解決の問題が存在するという事実を認識することができれば、(隠れた)未解決の問題に対処することで問題を解決することができることになります。

注:このページで解説しているのは平均的な例であり、すべてのケースに当てはまること、すべてのケースでBetterCoupleが同様の対応をすることを保証するものではありません